「メモの魔力」は面白かったがタイトルは最悪だと思う
石原さとみさんと交際している等、いま話題になっている前田裕二さんの新著「メモの魔力」を読んでみました。

 

タイトルからは前田さんのメモのとり方とかノートのまとめ方などが厚く書いていると思ったのですが、予想は裏切られました。

 

たしかに、それらの記載もあるのですが、その点は薄いですし、特に感銘を受けるところはありません。むしろ中心となっているテーマは、抽象化思考とか自己分析の重要性です。

 

そして、抽象化思考やその応用については、「うーん、いまいち」というのが正直な感想。抽象化思考を学びたいなら細谷さんのアナロジー思考の方がわかりやすく丁寧で絶対におすすめできます。

 

 

ただ、前田さんのメモの魔力もつまらない本というわけではありません。幼少の頃に両親を亡くした彼がどうやって思考と行動だけを頼りに人生を切り開いてきたのか、その思考と行動の仕方を学べます。また、より良い人生を切り開く上で自分を知ることの重要性と自己分析のやり方(どこまでやるのか)については非常に勉強になりました。

 

前田さんが現在の地位を築けたのは、もちろん生まれ持った地頭の良さや師、仲間に恵まれた点もあったのでしょう。ただ、それだけで誰でも成功できるわけではありません。彼が就活の時にノートを30冊つぶすほど自己分析をしたという話やハードワーカーぶりには驚かされます。セミリタイアしてまったりしている現在の僕はそれをそのまま真似しようとは思いませんが(できませんし)、ちょっとだけ頑張ってみようかなという気にはさせてくれます。これからバリバリ働いて稼ぎたい、大きなことを成し遂げたいと思っている若者におすすめの1冊かなと思います。

 

僕個人としては、この本を読んで、日頃の生活で抱いた感想の理由などをもう一歩踏み込んで考える癖をつけようと思いました。たとえば面白い映画を見たときに「あー、面白かった」で済ませるのではなく、なぜ自分が面白いと感じたのか、どの点に刺激を受けたのか、どういう意図をもってそのシーンが描かれているのか、人にその面白さを伝えるにはどんな説明をすればよいのかを考えるということです。